セックスで宇宙人と人間の境界が消える?UFO研究家が語る「ハイブリッド計画説」

セックスで宇宙人と人間の境界が消える?UFO研究家が語る「ハイブリッド計画説」 怪奇
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宇宙人は人間から精子や卵子を採取し、両者の特徴を持つ子どもを作っている。その子どもを何世代もかけて人間に近づけ、最後には普通の人間とほとんど見分けがつかない存在として地球社会へ送り込む――。1980年代以降、UFOアブダクション研究の一部では、このような「ハイブリッド計画」が語られるようになった。

この説が特に奇妙なのは、単に宇宙人と人間の子どもを作るという話にとどまらない点にある。人間から生殖細胞を採取し、女性の子宮を利用し、胎児を途中で取り出して別の場所で育てる。さらに成長したハイブリッドを人間社会へ送り込み、人間と恋愛や性交をさせ、その間に次の世代を作らせる――。最も体系的にこの説をまとめたのが、テンプル大学で歴史学を教えていたデイヴィッド・M・ジェイコブズだった。

もちろん、人間と地球外生命の混血を示すDNAや、宇宙人によって作られた胎児、ハイブリッド本人が科学的に確認されたことはない。以下で扱うのは、アブダクション体験者たちが何をされたと語り、それをUFO研究家たちがどのような生殖計画として組み立てたのかという話である。

精子と卵子を集める――「繁殖計画」はここから始まる

宇宙人が人間との間に子どもを作るという発想は、1957年のアントニオ・ヴィラス=ボアス事件にすでに現れている。ヴィラス=ボアスは、宇宙船のような場所で人間に近い女性型の存在と性交したと証言し、別れ際、その女性が自分の腹、ヴィラス=ボアス本人、そして空を順番に指したという。彼はこれを、自分との間にできた子どもを宇宙へ連れていくという意味だと解釈した。

この事件では通常の性交に近い形で子どもが作られることが示唆されていたが、1980年代以降、バッド・ホプキンスやジェイコブズが集めた証言では、もっと機械的で複雑な生殖方法が語られるようになる。ジェイコブズによれば、女性の体験者は台のような場所に寝かされ、生殖器から細い器具を入れられたり、腹部やへその周囲から針のような装置を入れられたりしたと証言した。本人たちは、卵巣やその周囲から卵子を採られたように感じたという。また、身体を動かせない状態で強い性的反応を起こされ、その直後に処置を受けたという話もあり、ジェイコブズは性的な身体反応が卵子の採取と関係している可能性を考えた。

男性側の証言では、性器に器具を取り付けられたり、機械的に刺激されたりして射精させられ、その精液を回収されたという話がある。さらに、人間の男女を組み合わせて本人たちの意思に反して性交させ、男性が射精する直前や射精時に精液を回収されたという証言もジェイコブズは紹介している。ここでは性交そのものによって妊娠させることよりも、人間の精子と卵子を効率よく集めることが最初の目的とされた。

その次には、採取された精子と卵子を使って受精卵を作り、そこへ宇宙人側の生物学的な要素を加えるとされた。ただし、この部分については体験者が遺伝子操作そのものを詳しく見たという証言は少なく、ホプキンスやジェイコブズが、精子採取、卵子採取、妊娠、そして後に現れる「人間ともグレイ型宇宙人とも違う子ども」という複数の証言をつなぎ合わせて推測した部分が大きい。つまり、宇宙船内には高度な体外受精や遺伝子操作の技術があり、人間の精子と卵子から異星側の特徴を持つ胚が作られている、という説である。

女性の子宮を使い、途中で胎児を回収する

ジェイコブズの説で特に特徴的なのが、人間女性の子宮を妊娠初期の育成場所として利用するという考えである。体験者の証言では、作られたハイブリッド胚を女性の子宮へ入れ、その後しばらくは普通の妊娠に近い状態を続けさせる。女性自身が妊娠したような身体の変化を感じる場合もあるが、妊娠が外見からはっきり分かるようになる前、おおむね妊娠9~11週ほどで再びアブダクションされ、胎児を取り出されるという。

そのため、体験者の中には「妊娠したと思っていたのに、突然妊娠が終わっていた」と語る人がいた。こうした話は、UFO文献では「ミッシング・フェタス」と呼ばれることもある。取り出された胎児はそのまま失われるのではなく、宇宙船内にあるとされる液体の入った装置や人工的な育成装置へ移され、そこで成長を続けるとされた。

ある程度まで育った子どもは、後のアブダクションで人間の親に見せられる。体験者は、大きな目、白っぽい肌、少ない髪、細い体を持つ赤ん坊や幼い子どもを見せられ、それが自分の子どもだと直感的に感じたと語る場合がある。女性だけでなく男性にも似た証言があり、抱き上げたり、身体を触れ合わせたり、食事を与えたり、遊んだりするよう求められたという。

ジョン・E・マックも、こうした「ハイブリッドの子どもの世話」をさせられたという証言を集めている。体験者の説明では、宇宙人側は人間の遺伝子だけでなく、人間が子どもに与える愛情や身体的な触れ合いまで必要としているらしいという話も現れた。

ただし、妊娠が医療機関で確認された後、通常の流産などでは説明できない形で胎児だけが突然消失し、その原因が異星人によるものだと証明された症例はない。胎児を育てる装置や、異星由来の胚が実際に回収された例もない。

子どもは何世代も交配され、人間そっくりになる

ジェイコブズは、ハイブリッドには複数の段階があると考えた。最初の世代はグレイ型宇宙人の特徴が強く、大きな目、細い体、大きな頭などを持ち、普通の人間とは容易に区別できる。しかし人間との交配を繰り返すにつれて、そうした特徴が弱くなっていく。目や頭の形が人間に近づき、髪が増え、体格も普通の人間と変わらなくなる。最終段階では、街を歩いていても人間との違いが分からないほどになるとされた。

2015年の『Walking Among Us』で、ジェイコブズはこうした最終段階に近い存在を「Hubrid」と呼んだ。彼の説明では、彼らは人間と同じような身体を持ち、衣服を着て、アパートなどで暮らすことができる。さらに性器や生殖能力も人間にかなり近くなっているとされた。一方、人間社会で育っていないため、買い物、金銭、友情、恋愛、家族、仕事といった日常生活について驚くほど知識が乏しく、アブダクション体験者から教えられているという証言も紹介されている。

ここでハイブリッド計画は、宇宙船の中だけの生殖実験から、人間社会の中で次の世代を作る計画へ変化する。初期のハイブリッドでは、宇宙人側が精子や卵子を採取し、胚を操作し、女性の子宮を利用しなければならなかった。しかし世代を重ねて十分に人間へ近づけば、そうした特殊な処置を使わなくても、人間との通常の性交だけで子どもを作れるのではないかとジェイコブズは考えた。

この段階では、ハイブリッドはもはや宇宙船にいる異形の存在ではなく、人間の恋人や配偶者になり得る存在へ変わっている。そこから、「ハイブリッドは人間とどのような性生活を送るのか」という、さらに奇妙な話が生まれていった。

人間と性交するハイブリッド――恋愛や浮気は理解できるのか

『Walking Among Us』には、人間社会へ入ったとされるハイブリッドが、恋愛や性行動について人間から教えられたという証言が登場する。ジェイコブズが紹介した女性体験者「ベッツィー」の話では、若い女性型ハイブリッドが、二人の兄弟とその友人という三人の男性と同時に性的関係を持っていた。ところが彼女は、三人が互いの存在を知ったとき、なぜ怒ったのか理解できなかったという。

三人の男性は、それぞれ自分だけが彼女の恋人だと思っていた。関係が発覚すると嫉妬や怒りが起きたが、女性型ハイブリッドには「恋人がいるなら他の人と性交してはいけない」という人間社会の考えがよく分からなかったとされる。ベッツィーは、恋愛関係では相手が性的な独占を期待する場合があること、交際を始めたからといって必ずすぐ性交するわけではないこと、恋愛感情と性的な関係が常に同じではないことなどを説明したという。

女性型ハイブリッドは、人間がさまざまな方法で性行為をする理由にも戸惑ったとされる。ジェイコブズの記録では、彼女は性行為を相手との結びつきを作る行動としては理解していたが、快楽のためにやり方を変えたり、性的な遊びを楽しんだりする人間の感覚が分かりにくかったという。つまり、この証言の中のハイブリッドは性交そのものはできるが、恋愛、浮気、嫉妬、独占欲、性的な遊びといった人間社会特有の意味を十分には理解していない存在として描かれている。

男性型ハイブリッドについても似た話がある。ジェイコブズが紹介した「エリック」と呼ばれる存在は、人間の男性に対して、結婚して長い時間がたってもなぜ妻を愛しているのか、年齢によって性生活がどう変化するのか、魅力的な女性を見てもなぜ必ず性交しないのか、といった質問をしたとされる。一方で、エリック自身には複数の人間女性との性的・恋愛的な関係があり、「全員を愛している」と考えていたという。将来は一人と結婚することも考えていたが、人間社会における一対一の交際や結婚の意味については十分に理解していなかったとされる。

これらの証言を見るかぎり、ハイブリッドにとって性行為は、人間のように恋愛や快楽だけに結びつくものではない。相手との心理的な関係を作ること、人間社会を学ぶこと、さらには繁殖計画を進めることが重なった行動として捉えられている、とジェイコブズは解釈した。

最終目的は「普通の性交」で人間社会に広がることなのか

ハイブリッド計画説が最も大胆になるのが、人間との通常の性交によって繁殖できるという考えである。もし男性型ハイブリッドの精子が普通の人間女性の卵子を受精させられるなら、宇宙船で毎回精子や卵子を集め、人工的に胚を作る必要はない。人間社会の中で恋愛や性的関係を持ち、そのまま次の世代を作ることができる。

ジェイコブズは、男性型の人間型ハイブリッドが多いように見える理由について、一人の男性なら複数の女性を妊娠させられるため、生殖計画を進めるうえで効率がよいのではないかと推測した。また、ハイブリッド同士よりも人間との交配が重要なのではないかとも考えている。つまり、宇宙人だけで完結した新しい種族を作るのではなく、人間との交配を繰り返しながら、地球人口そのものへ少しずつ混ざっていくという構想である。

この見方では、性行為は単なる繁殖手段でもない。人間社会へ送り込まれたハイブリッドは、人間と恋愛関係を作り、性交し、人間の感情や社会習慣を学ぶ。それ自体が「人間として暮らす訓練」になり、その一部が実際の繁殖へつながるとされた。宇宙船内では台に寝かされ、精子や卵子を採取されるだけだった人間が、計画の終盤ではハイブリッドの恋人や配偶者になり、普通の性生活の中で次世代を作る存在へ変わっていくのである。

ただし、この段階になるほど、体験者の証言以上にジェイコブズ自身の推測が大きくなる。人間型ハイブリッドとされる人物と人間との間に子どもが生まれ、その親子を遺伝子検査した結果、地球上の人間では説明できないDNAが確認されたという例はない。人間社会で生活しているハイブリッド本人が特定され、医学的に調べられた例もない。

精子採取から「人類との自然繁殖」まで続く巨大な物語

ジェイコブズらが描いたハイブリッド計画を一つの流れとして見ると、その生殖方法が段階的に変化していることが分かる。最初に宇宙人は人間から精子と卵子を採取し、それを使って異星側の特徴を持つ胚を作る。女性の子宮で妊娠初期まで育てた後、胎児を途中で取り出し、人工的な環境で成長させる。成長した子どもを人間の親に世話させ、さらに人間と交配させながら、何世代もかけて人間に近づけていく。

最終的なハイブリッドは、見た目も身体機能も人間に近くなり、人間社会で生活し、人間と恋愛や性交を行う。性交そのものも特殊な生殖実験ではなくなり、普通の人間同士のような形へ変化する。そして、その性交によって実際に子どもを作れるようになれば、宇宙船内での人工的な生殖作業は必要なくなる。

この説の中では、繁殖方法そのものが「宇宙人による管理」から「人間社会の中での自然繁殖」へ移行していく。宇宙人らしい姿をした存在が人間を誘拐し、器具を使って生殖細胞を集める段階から始まり、最後には人間と見分けのつかない存在が恋人や配偶者になり、人間との間に子どもを作る段階へ到達するのである。

しかし、その一連の工程を裏づける生物学的証拠は現在まで確認されていない。精子や卵子が異星人によって採取されたこと、ハイブリッド胚が作られたこと、女性の子宮から異星人が胎児を回収したこと、人間型ハイブリッドが地球人との間に子どもを作ったこと、そのいずれについても第三者が確認できる医学記録や遺伝子資料は存在しない。

それでもこの説が長く語られてきたのは、アブダクションを単なる人体実験で終わらせず、精子と卵子の採取、人工的な妊娠、胎児の回収、育児、交配、恋愛、性交、自然繁殖という一続きの物語に変えたからだろう。ハイブリッド計画説とは、宇宙人が大軍で地球へ攻め込む物語ではない。人間と宇宙人の境界が、生殖によって世代を追うごとに少しずつ消えていくという物語なのである。

出典

David M. Jacobs — Walking Among Us: The Alien Plan to Control Humanity
Disinformation Books, 2015
https://www.davidmichaeljacobs.com/books/

David M. Jacobs — Secret Life: Firsthand, Documented Accounts of UFO Abductions
Simon & Schuster, 1992
https://www.davidmichaeljacobs.com/books/

Budd Hopkins — Intruders: The Incredible Visitations at Copley Woods
Random House, 1987
https://www.publishersweekly.com/9780394560762

John E. Mack — NOVA Interviews John Mack, Psychiatrist, Harvard University
NOVA / PBS, 1996
https://www.pbs.org/wgbh/nova/aliens/johnmack.html

John E. Mack — Roy Leonard Interviews John E. Mack, M.D., and an Experiencer
John E. Mack Institute, 1994
https://johnemackinstitute.org/1994/05/roy-leonard-interviews-john-e-mack/

John E. Mack — Alien Enlightenment: An Interview with John Mack
John E. Mack Institute, 1996
https://johnemackinstitute.org/1996/08/alien-enlightenment-an-interview-with-john-mack/

John E. Mack — Passport to the Cosmos: An Interview with John Mack, M.D.
John E. Mack Institute, 2000
https://johnemackinstitute.org/2000/04/passport-to-the-cosmos-an-interview-with-john-mack-m-d/

Richard J. McNally, Susan A. Clancy — Sleep Paralysis, Sexual Abuse, and Space Alien Abduction
Transcultural Psychiatry, 2005
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15881271/

Susan A. Clancy, Richard J. McNally, Daniel L. Schacter, Mark F. Lenzenweger, Roger K. Pitman — Memory Distortion in People Reporting Abduction by Aliens
Journal of Abnormal Psychology, 2002
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12150421/

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